Tinderが2023年4月3に多様なジェンダーやセクシュアリティの理解を深めるサイト「Let’s Talk Gender」を公開しました。
Tinderの「Let’s Talk Gender」ってどんなサイト?
Let’s Talk Genderは「あらゆる分断を越えて、誰もがありのまま、ありたい姿で、素敵な関係を築けるように」ジェンダーやセクシュアリティ理解を深める目的で公開されたサイトです。
このサイトでは、他人のジェンダーやセクシュアリティ理解をするだけでなく、自分自身のジェンダーやセクシュアリティを正しく理解することも目的にしています。
現在、ジェンダー並びにセクシュアリティは非常に多様であるとの認識が広まり、名称も非常に多々ありますが、メジャーな種類しか知らないという方も多いのでは?
このサイトでは、新時代の常識とも言える多様なジェンダー、セクシュアリティの種類を学ぶことができます。
多様なジェンダーやセクシュアリティを学び、理解をする人が増えることで、偏見や差別、搾取などのあらゆる問題を解決する第一歩となるでしょう。
セクシュアリティ=性的指向様々なものが組み合わさって性は出来ているんです。
また、最近では性は流動的なものであり、1つに縛られるものではないという考え方も広まっています。
Tinder「Let’s Talk Gender」あなたはどんな性?
Let’s Talk Genderの第1のキーワードは「あなたはどんな性?」です。
あなた自身の性を理解する章となっています。
Tinderの「Let’s Talk Gender」では5つの性の在り方を紹介しています。
②性自認
③性表現
④性的指向
⑤恋愛的指向
①生まれた時に割り当てられる性
生まれた時に割り当てられる性と言うのは、日本では身体の機能的に「男」か「女」のどちらかに割り当てられるものです。
Let’s Talk Genderでは生まれた時に割り当てられる性について以下のように表現しています。
出生時に医師や助産師によって、身体的な性の特徴により割り当てられる性のこと。
現在、日本の法律上の性別は「男性」「女性」のふたつの表記しかありません。そしてそれらは、性染色体、内・外性器の状態、性ホルモンのレベルなど、生まれた時の身体的な性の特徴によって医師や助産師によって決められています。
ただし、身体的な性に関係している様々な機能や形、発達が、典型的な「男性」「女性」とされる状態と一致していない部分【=DSDs(身体的な性の様々な発達) / インターセックス】がある人たちも存在しています。つまり、身体的特徴に基づく性別の分け方は、ごく一面的なものでしかないのです。
インターセックス(DSDs)について「男女以外の性自認・中間の性」であると誤解している人が多いですが、これは全くの誤りです。
インターセックスの人は、体の状態が一部異なるだけの全くの男性もしくは女性であり、「男性/女性の体はこうであるべき」という認識がこのような誤解や差別を生んでいます。
私たちはこのような固定概念を排除して、それぞれの人を尊重して生きるべきなのです。
②性自認
性自認というのは、自分自身が自分の性についてどう認識しているかということです。
Let’s Talk Genderでは以下のように表現されています。
自分自身が認識する性のこと。
性自認で大切なのは、生まれた時に割り当てられた性別に関わらず、自分自身の性別を決めることができるのは「本来自分だけ」だということ。
生まれた時に、あなたは「男性です」「女性です」と決められてからこれまで、自分の性について深く考えずに生きてきた人は多いかもしれません。しかし、生まれた時に割り当てられた性別と自分自身が認識・実感する性別に違和感を抱いたり、異なる人、変化していく人、どちらか決められない人もいます。改めて、自分自身に性別を問いかけるとしたら、あなたはどう答えますか?
ここに書かれているように生まれた時に割り当てられた性別が自分の性だと考えて、疑ってこなかった人は多いのでは?
このサイトの公開をきっかけに、改めて自身の性別を考えてみるのはいかがでしょうか。
③性表現
性表現とは「容姿、しぐさ、言葉づかい、行動をはじめとするアイデンティティの外的な表現のうち、社会においてジェンダーと結びつけられているものを指す」とされています。
自分自身が振る舞いたい性、表現する性のこと。
性表現で大切なのは、自分がありたい姿をどう表現するかは本来自由であり、社会的な「こうあるべき」という姿にとらわれる必要はないということ。これには、髪型や服装といった外見上のもの、振る舞いや話し方なども含まれます。
「男性なら、女性なら、こうあるべき」という姿を押し付けられることも多い社会では、自分が本当はどうありたいか、悩む人、葛藤する人、居心地の良い表現を見つけるのに時間がかかる人もいます。時間と経験を重ねていくなかで、自分の性表現が変化したり、新たな表現が見つかるのも、ごく自然なことです。「男性だから」「女性だから」ではなく、自分自身にも、周囲の人にも、「その人だから素敵」だと思える表現が見つかるといいですね。
④性的指向
性的指向というのは「同じまたは異なる性別・ジェンダー間において恋愛や性愛、または性的魅力を感じるパターン」のことを指します。
どのような性のあり方の相手に対して性的魅力を感じるか、または感じないか、性愛の向かう相手・向け方のこと。
性的指向で大切なのは、誰かに性的魅力を感じる時、そこに良し悪しは存在しないということ。誰かに魅力を感じる気持ちは、相手の性のあり方がどうであれ、ごく自然に生まれるもの。周囲にその良し悪しを判断されるべきものではありません。
誰かに性的魅力を感じることが当たり前というわけでもなく、どんな相手にも性的に惹かれない人もいます。異性だから惹かれる人、同性だから惹かれる人、どちらにも惹かれる人、性別に関係なく惹かれる人、どんな性別の人にも惹かれない人。そのあり方は様々です。そして、相手のどんな部分に魅力を感じるのかは時に変化し、流動的であると言われています。例えば長年自分は異性に惹かれると思っていても、素敵な相手との出会いによって、自分の性的指向に気付いたり、変化したりもします。あなたは、どんな人に魅力を感じますか?
それぞれがそれぞれの性的指向を持っているので、どれが普通で変などはありません。
狭い自分の世界だけで生きている人は差別的な発言をしがちですが、その人たちの言う「普通」を気にする必要は一切ないです。
⑤恋愛的指向
恋愛的指向は「どんな(性のあり方の)相手に恋愛的な魅力を感じるかということ」です。
どのような性のあり方の相手に恋愛的な魅力を感じるか、または感じないか、恋愛感情の向かう対象・向け方のこと。
恋愛的指向で大切なのは、誰かを好きになるステップや関係性の築き方は人それぞれであること。そして、性的魅力と恋愛的な魅力は「必ずしも一緒ではない」ということ。
恋愛感情と友情を比較されることって、よくありますよね。だけど、「恋愛感情とはなにか」は人それぞれ異なるため、明確に定義できません。友人になってしまうと恋人としては考えられない、という人もいれば、友人として強い結びつきや絆ができてからでないと恋愛関係に発展しない、という人もいます。さらに、恋愛的魅力の感じ方には幅があり、ほとんど感じない人、まったく感じない人、強く感じる人、感じ方が時と場合によって揺れ動く人など様々。あなたにとっての恋愛感情は、どんなものでしょう。
恋愛的指向と性的指向は混同されがちですが、実は異なる意味を持っています。
例えば、アロマンティックの人は他者に恋愛感情を感じませんが、性的感情は抱くことがあり、アセクシュアルは他者に対して恋愛感情も性的感情も抱かないセクシュアリティです。
このように恋愛的指向と性的指向によってセクシュアリティが分類されるので、両者は別の意味合いであることを覚えておきましょう。
Tinder「Let’s Talk Gender」自分の性をどう表現する?
第2のキーワードは「自分の性別をどんな風に捉え、表現する?」です。
この章は自分の性をどう表現するかを考える章となっています。
性自認や性表現の在り方は人によって異なるとされており、時の流れと共にどんどん変化しています。
Let’s Talk Genderで紹介されているのは以下の6つです。
シスジェンダー
生まれた時に割り当てられた性と性自認が一致している人のこと。
トランスジェンダー
生まれた時に割り当てられた性別と、性自認が異なる人のこと。
Xジェンダー/ノンバイナリー
性自認が男性か女性かという性別二元論にあてはまらない人のこと。
ジェンダーフルイド
性自認を明確に固定せず、その時々によって変化する人のこと。
クエスチョニング
自分の性のあり方に疑問を持ち、それについて考えている状態であったり、明確に定義したくない人のこと。
クィア
「ふつう」や「あたりまえ」とされる性のあり方に当てはまらない人や当てはめたくない人々の総称。
Tinder「Let’s Talk Gender」どんな相手に魅力を感じる?
第3のキーワードは「どんな相手に、どんな魅力を感じる?あるいは、感じない?」。
この章はどんな相手に魅力を感じるか、あるいは魅力を感じないかを考える章になっています。
先ほどもご紹介した通り、性的魅力と恋愛的魅力の感じ方は必ずしも同じではありません。
それぞれの魅力を感じる対象が別々である人もいますし、感じ方が異なる人もいます。
Let’s Talk Genderでは11個のセクシャリティを紹介しています。
ヘテロセクシュアル
ヘテロロマンティック
異性に性的欲求を感じるセクシュアリティのこと。性的欲求ではなく、恋愛感情の場合はヘテロロマンティックと呼ばれる。
レズビアン
女性と自認している人が、女性に対し恋愛や性的な欲求を感じるセクシュアリティのこと。
ウーマセクシュアル
ウーマロマンティック
性自認に関係なく、女性に対して性的欲求を感じるセクシュアリティのこと。性的欲求ではなく、恋愛感情を抱く場合は、ウーマロマンティックと呼ばれる。
ゲイ
男性を自認する人が、男性に対し恋愛や性的な欲求を感じるセクシュアリティのこと。
マセクシュアル
マロマンティック
性自認に関係なく、男性に対して性的欲求を感じるセクシュアリティのこと。性的欲求ではなく、恋愛感情を抱く場合はマロマンティックと呼ばれる。
バイセクシュアル
バイロマンティック
男性・女性のどちらに対しても恋愛や性的な欲求を感じるセクシュアリティのこと。
パンセクシュアル
パンロマンティック
どんな性のあり方の人に対しても、性的欲求を感じる可能性があるセクシュアリティのこと。性的欲求ではなく、恋愛感情の場合はパンロマンティックと呼ばれる。
アセクシュアル
アロマンティック
どんな性のあり方の人に対しても、性的に惹かれないセクシュアリティのこと。他者に恋愛的に惹かれない人はアロマンティックと呼ばれる。
デミセクシュアル
デミロマンティック
どんな性のあり方の人に対しても、精神的なつながりを感じる相手に対してだけ性的に惹かれるセクシュアリティのこと。精神的なつながりを感じる相手に対してだけ恋愛的に惹かれる場合はデミロマンティックと呼ばれる。
フレイセクシュアル
フレイロマンティック
どんな性のあり方の人に対しても、初対面の人や関係が深くない相手には性的魅力を感じるが、関係が深まるにつれて性的魅力が弱くなったり、感じなくなるセクシュアリティのこと。初対面の人や関係が深くない相手に対してだけ恋愛的に惹かれる場合は、フレイロマンティックと呼ばれる。
クワセクシュアル
クワロマンティック
どんな性のあり方の人に対しても、自分が他人に抱く好意が恋愛感情かどうか、また自分が他人に感じる魅力が性的欲求かどうか判断できない / しないセクシュアリティのこと。
Let’a Talk Genderではさらに詳しくご紹介していますので気になる方はぜひご覧ください。
Tinder「Let’s Talk Gender」相手の性をどう尊重する?
第4のキーワードは「相手の性をどのように尊重する?」です。
この章では、他の人の性の在り方をどう尊重することができるか考えられる章になっています。
ここでは、現代社会にある様々な社会規範を紹介しているだけでなく、相手の性をどう尊重するかを紹介しているんです。
性を尊重するためにまずできることで紹介されているのですが、「彼氏」「彼女」ではなく、「恋人」や「パートナー」と呼ぶというのは現代社会で大切な考え方であると思います。
例えば、女性の知り合いに「最近彼氏でも出来たんですか?」と聞いた時、その女性が交際しているのが同性だった場合、相手は返答に困るかもしれないし、傷つけてしまうかもしれません。
そんな時に「最近パートナーがでも出来たんですか?」と言えれば、その方の交際している人がどんな性であっても問題が生じません。
言い慣れるまでは大変かもしれませんが、このようにジェンダーやセクシュアリティのことを理解している言葉の使い方ができればスマートな印象にもなりますし、人付き合いがより一層うまく行くことでしょう。
Tinder「Let’s Talk Gender」で新しい時代について考えてみよう
Let’s Talk Genderでは、上記で紹介してきた4つの章の他に、性の在り方をを公言している人にジェンダーやセクシュアリティ、ロマンティックにまつわる質問を投げかけたビデオクリップや、この題目に関連したよくあるQ&Aなども紹介されています。
そしてTinderのアプリには、自身の性的指向を示す選択式の項目が存在します。
ここで自身の性を表現することにより、あなたが求めている人とマッチングできるかもしれません。
また、他のアプリでは異性としかマッチングできない仕組みになっていますが、Tinderでは異性だけでなく、同性ともマッチングできるようになっているので様々な性の人が求める出会いを見つけることができるでしょう。
Tinderの利用と合わせて、「Let’s Talk Gender」で性に対する理解を深めてみてくださいね!

マッチングアプリは併用することで、出会いの幅が広がります。Tinder以外のおすすめアプリも下の記事で紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください👇
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