少子化対策の一環として、国や自治体が公的マッチングサービスを次々に立ち上げている。
東京都の「TOKYO縁結び」や埼玉県の「恋たま」など、AIを駆使したサービスが登場し「官製マッチングアプリ」とも呼ばれるが、民間アプリに比べ情報が少なく「本当に出会えるのか」「料金は高いのか」など疑問も多い。
本記事では最新データを基に、政府のマッチングアプリの実態を解説する。
政府運営のマッチングアプリの実態とは?
東京都が2024年9月に始めた「TOKYO縁結び」は、価値観診断112問とAI解析で相性の良い相手を提案する仕組みを採用。登録時には独身証明書・収入証明の提出とWEB面談による本人確認を必須にし「安全性」を強調している。
一方、埼玉県の「恋たま」は県内60市町村と企業67社が連携する官民協働センターで、AI紹介に加え相談員によるサポートを提供。2025年3月末時点の登録会員は22,536人、累計成婚退会577組と公表されている。
自治体独自の料金補助も拡大しており、熊本市は在住者なら2年間1万円で利用でき、連携12市町村住民にはさらに割引キャンペーンを実施中。山口県は2025年4月からマッチングシステムを完全無料化した。こうした支援策により、「安心・低料金・地域密着」を求める層の利用が伸びている。
政府運営のマッチングアプリは出会える?
結論から言えば「出会えるが、民間より母数は小さい」。恋たまの成婚累計577組は公的サービスとしては健闘しているが、ペアーズ月間アクティブ90万人規模と比べると対象プールが桁違いに少ない。TOKYO縁結びも開始直後の登録が数千人規模と報じられ、2000万人超の民間最大手と比べ「選択肢の幅」は限定的。
ただし厳格な身分証提出や地方移住者歓迎のマッチングなど、公的ならではの安心感・地域密着メリットは高く、料金を抑えて真剣に婚活したい人には十分有力な選択肢だ。
政府運営のマッチングアプリの料金は?
主要サービスの登録料(すべて税込・有効期間2年)を整理すると下表の通り。
サービス | 登録料 | 備考 |
---|---|---|
TOKYO縁結び | 11,000円 | 東京在住・在勤・在学 18歳以上 |
恋たま | 16,000円(熊谷市等割引11,000円) | 会員22,536人 助成制度あり |
Kumarry(熊本) | 10,000円(在住者)/20,000円(その他) | キャンペーンで特別料金実施 |
やまぐち結婚応縁センター | 無料(2025年4月以降) | マッチング率22% |
みやぎ結婚サポート | 5,000円(1年) | 20〜49歳対象 |
平均すると「1年あたり5,000〜10,000円程度」。民間アプリの男性月額3,700〜4,800円(ペアーズ1ヶ月プラン)を1年使う場合と比べ、年間コストは約1/3〜1/6に抑えられる。
政府運営のマッチングアプリの注意点
これから3つの注意点を説明します。
その① 会員数が地域限定で少ない
都道府県単位で運営されるため、転勤・遠距離希望者にはマッチ候補が乏しくなる恐れがある。
その② 登録手続きが煩雑
独身証明書・所得証明の提出やWEB面談が必須で、気軽に始めたい人にはハードルが高い。
その③ アプリ機能は最小限
AI紹介機能はあるものの、コミュニティ機能やリアルタイム通話など民間アプリが備える多彩な機能は未実装の場合が多い。
政府のマッチングアプリと民間のマッチングアプリの違い
結論:安心感とコストを取るか、会員数と機能を取るかの選択。
官製アプリは「証明書必須+低料金」で真剣度の高いユーザーが集まりやすい一方、母数と利便性は民間が圧倒的。
忙しい社会人や地方在住で手堅く婚活したいなら官製、趣味や価値観重視で多様な相手に出会いたいなら民間が向く。
編集部おすすめのマッチングアプリ
ここからは民間アプリの中でも、会員数・機能・料金のバランスに優れる5サービスを紹介する。
①with
- 心理テスト×AIで性格重視マッチング。
- 男性月額3,960円(クレカ3,600円)から、21歳以下には1週間1,540円プランも。
- 会員1,000万人規模で20代後半が中心。
②タップル
- 累計2,000万人、デート即日調整「おでかけ機能」が人気。
- 男性月額3,700円(Web)〜、12ヶ月プランなら月1,817円。
- ミッションクリアで最長30日無料の裏技も。
③ペアーズ
- 国内最大級2,000万人超、月間13,000組が新カップル誕生。
- 男性3,700円/月(クレカ)、12ヶ月なら1,650円/月。
- コミュニティ14万超で趣味・価値観検索が豊富。
④バチェラーデート
- 完全審査制+週1デート自動設定。
- 女性無料、男性お手軽プラン月6,800〜9,800円。
- 会員20万人規模でハイスペ率が高い。
⑤マリッシュ
- 再婚・30代以上に特化、女性完全無料。
- 男性月額3,400円、12ヶ月なら1,650円/月と最安水準。
- プレミアムオプション3,000円で詳細検索拡充。
まとめ
公的マッチングアプリは「税金を投じてまで必要か」と賛否あるものの、独身証明・所得証明必須の安心感と年間1万円前後という低コストは大きな魅力。一方で、母数と機能・UIの充実度では民間が優位であり、出会いのチャンスを最大化するなら官製+民間アプリ併用が賢い選択となる。
まずは自治体の割引制度や無料キャンペーンをチェックしつつ、趣味や価値観マッチングに強い民間アプリも並行利用して、自分に合った「出会いの場」を広げてみよう。
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