近年、マッチングアプリの普及に伴い、悪質な利用者によるなりすましや晒し行為といったトラブルが増加しています。
自分の写真や個人情報が無断で使用されたり、SNSで晒されたりした場合、被害者は泣き寝入りする必要はありません。
法的手段として「発信者情報開示請求」という強力な対処法が存在します。
本記事では、マッチングアプリでなりすまし・晒し行為を受けた際の開示請求の可否、具体的な手続き方法、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
また、記事の最後には編集部がおすすめするマッチングアプリも紹介しますので、安全にアプリを利用したい方はぜひ参考にしてください。
マッチングアプリでなりすまし・晒し行為されたら開示請求できる?
結論から申し上げると、マッチングアプリでなりすまし・晒し行為を受けた場合、開示請求は可能です。発信者情報開示請求は、インターネット上で権利侵害を受けた被害者が、加害者の身元を特定するための法的手続きとして法律で認められています。
開示請求の根拠となる権利侵害
マッチングアプリでのなりすまし・晒し行為は、以下のような法的権利の侵害に該当する可能性があります:
- 肖像権侵害:顔写真を無断で使用された場合、憲法第13条の幸福追求権に含まれる肖像権の侵害となります。自己の容貌を勝手に撮影・公表されない権利です。
- プライバシー権侵害:個人情報や私生活の情報が無断で公開された場合、プライバシー権の侵害となります。
- 名誉毀損:事実を摘示して社会的評価を低下させるような投稿がなされた場合、名誉毀損罪(刑法第230条)に該当する可能性があります。
- 侮辱罪:具体的事実を示さずに人格を攻撃するような内容の場合、侮辱罪の対象となることがあります。
開示請求が認められる要件
発信者情報開示請求が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります:
- 権利侵害性:投稿内容が明らかに権利を侵害していること
- 特定性:被害者本人または団体が申し立てること
- 必要性:損害賠償請求などに際して開示が必要であること
- 技術的可能性:発信者情報がプロバイダ等に保管されていること
マッチングアプリでのなりすまし・晒し行為は、これらの要件を満たすケースが多く、実際に損害賠償が認められる事例も増えています。ただし、手続きには専門的な知識と迅速な対応が重要です。
マッチングアプリでの開示請求手続きの方法
マッチングアプリでの開示請求手続きは、一般的に二段階のプロセスで進行します。以下、具体的な手続きの流れを解説します。
- 第一段階:サイト管理者への開示請求
- 第二段階:プロバイダへの開示請求
第一段階:サイト管理者への開示請求
証拠保全
まず、なりすましや晒し行為の証拠を保全します。以下の情報をスクリーンショットなどで記録してください:
- 悪質な投稿の内容・画像・動画
- 投稿のURL、スレッド名
- 投稿日時
- 引用や返信投稿
IPアドレス開示の仮処分申立て
マッチングアプリ運営会社へ、加害者のIPアドレス開示を求め仮処分を裁判所に申し立てます。必要な費用は以下の通りです:
- 申立手数料:2,000円(収入印紙)
- 郵便切手:約3,000~6,000円
- 仮処分担保金:約10万~30万円
仮処分手続きには1~3ヶ月かかります。
第二段階:プロバイダへの開示請求
プロバイダの特定
得られたIPアドレスから、通信事業者(プロバイダ)を特定します。
発信者情報開示請求訴訟
プロバイダに対し、契約者情報(氏名・住所・電話番号など)の開示を求めて訴訟します。必要費用は以下の通りです:
- 収入印紙:13,000円
- 送達用予納郵券:約6,000円(東京地裁の場合)
この段階にも3~6ヶ月かかります。
迅速化のポイント
- ログ保存期間への注意:プロバイダがIPアドレス情報を保存しているのは概ね3ヶ月のみです。手続きを速やかに始める必要があります。
- 専門家の活用:弁護士など専門家に早期相談することで、手続きの迅速化・成功率向上が期待できます。
- 新制度の活用:発信者情報開示命令(2022年改正プロバイダ責任法)の活用で、手続きが簡素&迅速に行える場合もあります。
マッチングアプリでの開示請求は、適切な手続きを踏むことで加害者の特定が可能です。被害を発見したら速やかに対応することが肝要です。
マッチングアプリでの開示請求する際の注意点
マッチングアプリでの開示請求を行う際には、以下3つの重要注意点があります。これから3つの理由を説明します。
注意点①:時間的制約の厳格性
プロバイダのログ保存期間は非常に短いことが最大の注意点です。多くのプロバイダは、IPアドレスの使用履歴を3ヶ月程度しか保存していません。この期間を過ぎると、技術的に加害者の特定が不可能になります。
開示請求手続自体にも時間がかかるため、実際には投稿から3週間程度で手続きを開始することが重要です。全体で約9~10ヶ月かかることも念頭に置いてください。
この期間の遅れは「時効」として機能するため、被害を発見したら速やかに対応しましょう。
注意点②:高額な費用負担
開示請求には相当な費用がかかることも重要な注意点です。費用の内訳は以下の通りです:
- 個人で手続きする場合:裁判所手数料約2~3万円、仮処分担保金10~30万円
合計:約10~31万円 - 弁護士に依頼する場合:相談料30分5,500円ほど、着手金20~40万円、成功報酬10~20万円、実費・日当1~5万円
合計:60万円以上
特に仮処分担保金は、一時的に高額な資金が必要です。
また、開示が成功しても加害者から損害賠償を回収できず「費用倒れ」になるリスクがあることも理解しておきましょう。
注意点③:権利侵害の明確性と証拠保全の重要性
開示請求には権利侵害が明らかであることが必須です。単なる批判や意見の相違では開示請求は認められません。
証拠の保全に関して下記ポイントに注意しましょう:
- 完全性の確保:投稿内容・URL・投稿日時・サイト名等を含めたスクリーンショットの保存
- 証拠の連続性:関連投稿やコメントも漏れなく保存する
- 法的有効性:加工や編集は避け、法廷でも使える形で保全すること
また、加害者に直接連絡を取ることで証拠隠滅や投稿削除を誘発するリスクがあるため、専門家に相談するまでは接触を避けてください。
プライベートなやり取りは開示対象外です。DM(ダイレクトメッセージ)など個人間のやり取りは「公然と行われた通信」の要件を満たさず、開示請求できません。
これらの注意点を理解し適切に対応することで、開示請求の成功率を高めることができます。特に時間的制約は厳格であるため、被害発見後速やかに専門家に相談することを推奨します。
編集部おすすめのマッチングアプリ
安全性と信頼性を重視する方のために、編集部が厳選したおすすめのマッチングアプリを5つご紹介します。これらのアプリは、なりすまし防止対策や安全機能が充実しており、安心して出会いを探すことができます。
①with
withは心理学に基づいたマッチングで価値観の合う相手と出会えるアプリです。累計会員数は1,000万人以上を誇り、20代~30代前半のユーザーが中心となっています。
- 料金プラン:
- 男性:月額2,017~3,960円
- 女性:完全無料
- 特徴:
- 心理テストや相性診断機能が充実
- 24時間365日の監視体制で安全性を確保
- AIによる相性の良い相手の提案機能
- トークアドバイス機能でメッセージをサポート
withの利用目的は恋活が72%、婚活が15%となっており、真剣な恋人探しに適しています。価値観重視のマッチングシステムにより、内面の相性を重視した出会いが期待できます。
招待コード:de8635
【R-18】18歳未満の方はご利用いただけません
②タップル
タップルは気軽なデートから始めたい20代に人気のマッチングアプリです。累計会員数は2,000万人以上で、毎日12,000人のカップルが誕生しています。
- 料金プラン:
- 男性:月額1,817~4,800円(プランにより変動)
- 女性:完全無料
- 特徴:
- 「おでかけ」機能で24時間以内にデート相手が見つかる
- スワイプ式の直感的な操作
- 趣味タグ機能で共通の趣味を持つ相手と出会える
- 男性も条件クリアで無料利用可能
タップルの利用目的は恋活が61%、婚活が20%で、まずは友達から始めたいという気軽な出会いを求める方に適しています。
招待コード:5Qqh-2MsmtGzm
【R-18】18歳未満の方はご利用いただけません
③ペアーズ
ペアーズは国内最大級の会員数を誇る定番マッチングアプリです。累計会員数は2,000万人を超え、地方在住者でも出会いやすいのが特徴です。
- 料金プラン:
- 男性:月額3,700~4,800円
- 女性:完全無料
- 特徴:
- 国内最大級の会員数で出会いの機会が豊富
- マイタグ機能で趣味や価値観が合う相手を検索可能
- 地方在住者にも対応した全国展開
- 年齢層が幅広く20代~40代まで利用可能
ペアーズの利用目的は恋活が57%、婚活が28%となっており、恋活から婚活まで幅広いニーズに対応しています。会員数の多さから、理想の相手に出会える確率が高いアプリです。
招待コード:re3gSkT
【R-18】18歳未満の方はご利用いただけません
④バチェラーデート
バチェラーデートは完全審査制で高スペックな相手と確実にデートできるアプリです。会員数は20万人と少数精鋭で、質の高い出会いを提供しています。
- 料金プラン:
- 男性:月額7,480~32,780円(プランにより変動)
- 女性:完全無料
- 特徴:
- 完全審査制で安全性が高い
- 週1回のデートが自動的にセッティングされる
- ハイスペック男女が多数在籍
- メッセージ不要で直接デートが可能
バチェラーデートは、忙しい中でも質の高い出会いを求める方や、ハイクラスな相手との真剣な交際を希望する方に最適です。料金は高めですが、確実性と効率性を重視する方には価値のあるサービスです。
招待コード:7217R3CST3GOO
【R-18】18歳未満の方はご利用いただけません
⑤マリッシュ
マリッシュは再婚や子持ちの方に理解のある30代~50代向けのマッチングアプリです。累計会員数は400万人で、大人の真剣な出会いをサポートしています。
- 料金プラン:
- 男性:月額1,650~3,400円
- 女性:完全無料
- 特徴:
- 再婚者向けの優遇プログラムが充実
- バツイチ・シンママ・シンパパに理解のある会員が多い
- リボンマーク機能で再婚に理解のある男性を識別可能
- 動画プロフィール機能で相手の雰囲気を確認可能
マリッシュの利用者は40代が44%、50代が31%を占めており、中高年の再婚活に特化したアプリとして高い評価を得ています。料金も他のアプリと比較して安価で、コストパフォーマンスに優れています。
【R-18】18歳未満の方はご利用いただけません
これらのアプリはいずれも安全対策が充実しており、本人確認や24時間監視体制などの基本的なセキュリティ機能を備えています。自分の年齢層や利用目的に合わせて選択することで、安全で質の高い出会いを期待できるでしょう。
まとめ
マッチングアプリでなりすましや晒し行為を受けた場合、発信者情報開示請求による解決は十分に可能です。肖像権侵害、プライバシー権侵害、名誉毀損などの権利侵害が認められる場合、法的手段により加害者を特定し、損害賠償を請求することができます。
ただし、開示請求を成功させるにはいくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。最も重要なのは時間的制約で、プロバイダのログ保存期間が3ヶ月程度のため、被害発見から3週間以内に手続きを開始することが不可欠です。また、費用面では個人で行う場合でも10~31万円、弁護士依頼では60万円以上かかることを理解しておく必要があります。
手続きは二段階で進行し、まずサイト管理者からIPアドレスの開示を受け、次にプロバイダから契約者情報の開示を受けます。全体で9~10ヶ月程度の期間を要するため、長期戦になることを覚悟する必要があります。
予防策として、信頼性の高いマッチングアプリを選択することも重要です。今回紹介したwith、タップル、ペアーズ、バチェラーデート、マリッシュはいずれも安全対策が充実しており、安心して利用できるアプリです。
被害を受けた場合は、一人で悩まず速やかに専門家に相談することをおすすめします。適切な対応により、デジタル社会での権利を守り、安全なマッチングアプリライフを送ることができるでしょう。
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