2025年9月14日、人気YouTuberのヒカルが妻の進撃のノアと共に「オープンマリッジ」を宣言し、インターネット上で大きな議論を呼んでいます。この発表により、配偶者以外との恋愛関係を夫婦で認め合う新しい結婚の形として、日本でも注目を集めています。
オープンマリッジの意味とは
オープンマリッジとは、夫婦がお互いの合意のもとで配偶者以外の異性との性交渉や恋愛関係を認め合う結婚の形を指します。直訳すると「開かれた結婚」を意味し、1970年代にアメリカの社会学者オニール夫妻によって提唱された概念です。
この制度の最も重要な特徴は、必ず夫婦双方の合意が前提となる点にあります。単なる浮気や不倫とは明確に異なり、事前の話し合いと取り決めに基づいて成立する関係性です。また、婚姻関係にあるパートナーを最優先とし、相手を傷つけないよう配慮することが大前提とされています。
オープンマリッジには様々な形があり、感情的な関係を禁止し肉体的な関係のみを許可する場合もあれば、恋愛感情も含めて許可する場合もあるなど、夫婦それぞれの価値観に応じてルールが決められます。
ヒカルと進撃のノア夫妻のオープンマリッジ宣言の詳細
YouTuberのヒカル(34歳)は2025年9月14日、自身のYouTubeチャンネルで「【報告】2人から皆様に大切な話があります」と題した動画を公開し、妻の進撃のノア(30歳)と共にオープンマリッジを選択したことを発表しました。
ヒカルは動画内で「数週間ぐらい前に、夫婦仲が良くないみたいな状況が続いて」と前置きし、話し合いの結果として「僕たちはオープンマリッジとして生きていきます。なんなのかという話になると思うんですけど、浮気オッケーです。浮気オッケーになりました」と公表しました。
このオープンマリッジに至った理由について、ヒカルは「俺は離婚はしたくない。でも浮気もしたい」と率直に語っています。一方、進撃のノアも「お互いが同じことをしてるなら、全然なんでもいいと思ってて。浮気じゃないけど、そういうのって男の人はよくて、女はアカンみたいな。飲みにも行くし、その制限はされたくないし、私も。それでやっていこうみたいな結論になって、一緒におるのがめっちゃ楽しくなってな」と同意を示しました。
著名人・インフルエンサーの反応まとめ
この宣言に対して、他の著名人からも様々な意見が寄せられています。実業家のひろゆき氏は2025年9月15日の配信で「オープンマリッジ自体は『お好きにどうぞ』という派閥」「最初からそれで結婚してたら何の問題もない」と述べる一方で、「オープンマリッジで浮気OKにします」という説明をノリノリでしているヒカルさんの横にいる奥さんのノアさんが、仕方なく受け入れてるような立ち振る舞いに見えてしまった」と指摘しました。
YouTuberのラファエルは、ヒカルの件に関するDMが大量に来ていることを明かし、「基本仕事しません。ヒカルさんの件で動画出せだのうざいDM辞めてください」と困惑を示しています。
世間からの声・評判はどうなってる?
この発表は大きな反響を呼び、ヒカルのYouTubeチャンネルの登録者数は発表前の507万人から491万人に減少し、わずか24時間で16万人の登録者を失う結果となりました。
SNS上では批判的な意見が多数見られ、「ノアちゃんがかわいそう」「ノアちゃんの表情が硬い」と進撃のノアを心配する声や、「チャンネル登録を解除しました。6年以上のファンですが、今回はさすがに引きました」といったヒカルを非難する意見が多く寄せられています。
一方で、「どんな状況でも応援していますヒカルさん。どんな選択をしてもそれは自由」といった支持するコメントも存在しています。ヒカル自身は批判に対して「僕たちの人生にとやかく言おうとする人たちは満たされてないんだろうなと思ってて、他人の人生にごちゃごちゃ言ってくるな!」と強く反論しています。
オープンマリッジのメリット
オープンマリッジには従来の夫婦関係にはない独特のメリットがあります。これらのメリットを理解することで、なぜ一部の夫婦がこの形を選択するのかが見えてきます。
パートナーに縛られない自由な恋愛ができるのが最大のメリットです。結婚後も個人の感情や欲求を抑制する必要がなく、新しい出会いや関係性を築くことが認められます。長い結婚生活では、お互いに慣れ親しんでしまい恋愛感情が薄れてしまうことも珍しくありませんが、配偶者以外との自由な関係を通じて、恋愛の刺激や新鮮さを取り戻すことができます。
セックスの悩みを解消できるという大きなメリットもあります。パートナーとはセックスレスだった場合や、体の相性があまり良くない・満たされないと感じている場合に、お互いの合意のもとで他の相手との関係を持つことで、ストレスが解消される可能性があります。
お互いの価値観を尊重し合える関係が築ける点も重要です。オープンマリッジを成功させるには、お互いの価値観を深く理解し、尊重し合うことが必要で、この過程で夫婦間のコミュニケーションが向上し、より深い関係性を築くことができます。従来の夫婦関係では、どちらか一方が相手の行動や考えを制限しようとするケースがありがちですが、オープンマリッジでは相手の自由を認めることで、支配や束縛のない対等な関係を構築できます。
オープンマリッジのデメリット
一方で、オープンマリッジにも多くのデメリットが存在します。これらの課題を理解せずに始めると、夫婦関係の破綻につながる可能性があります。
世間体が気になるのが大きなデメリットです。オープンマリッジは世間一般ではまだまだ受け入れられない印象が強く、社会的評価や世間体が気になり、行動に移しづらいという現実があります。特に日本は貞操観念が高く、複数の相手と関係を持つことに嫌悪感を抱く人が少なくありません。たとえ夫婦間では納得していても、恋人とデートしている場面で知り合いに遭遇すると、ネガティブなイメージを抱かれてしまう可能性があります。
家庭と恋人とのバランスが難しくなってしまう可能性も深刻な問題です。オープンマリッジによりパートナー以外に恋人ができると、そちらに重きを置いてしまい、家族と過ごす時間やお金を犠牲にしてしまうリスクがあります。恋愛に浮かれて家族をおざなりにすると、いくら合意の上でもパートナーが不満を抱え、離婚問題に発展するかもしれません。
周囲の理解を得にくいという課題もあります。従来の結婚観から逸脱しているため、周囲から好奇の目にさらされる可能性があり、子どもがいる場合は家族のあり方に混乱したり、結婚に夢を持てなくなったり、さらにはいじめの対象になる可能性もあります。
パートナーより恋人に気持ちが傾く可能性も重要なリスクです。結婚相手以上に、恋愛中の恋人のことが好きになってしまい、どちらかの気持ちが傾いてしまうと、結婚生活が維持できなくなることが考えられます。
オープンマリッジと不倫の違い
オープンマリッジと不倫には、法的・倫理的に明確な違いがあります。この違いを理解することは、オープンマリッジの本質を把握する上で重要です。
最も大きな違いは「お互いの同意」があることです。一方的な不貞行為である不倫とは異なり、オープンマリッジは夫婦間で話し合いを重ねて合意に至った関係性です。不倫は配偶者に隠れて行われる秘密の関係ですが、オープンマリッジは公然と認められた関係となります。
所有欲・独占欲・嫉妬心に駆られることがないのもオープンマリッジの特徴です。不倫の場合、配偶者は裏切られたという感情を抱きますが、オープンマリッジでは事前に合意されているため、このような負の感情は理論的には生じにくいとされています。
ただし、日本の法律では、オープンマリッジという制度は存在しません。民法は一夫一婦制を前提としており、夫婦間で不倫を許す合意があったとしても、不貞行為自体が法的に完全に免責されるわけではありません。しかし、夫婦間に合理的な事情があり、かつ真摯な合意があれば、有効と認められる場合もあります。
オープンマリッジには契約書が必要?
オープンマリッジを始める際に、多くの夫婦が検討するのが契約書の作成です。法的な観点から、その必要性と有効性について説明します。
オープンマリッジをはじめるにあたって、必ず必要なのがパートナーの合意です。パートナーの合意がなければ、オープンマリッジは成立しません。この合意を文書化したものが契約書となります。
契約書の作成には契約自由の法則が適用されるため、とりあえず作成しておくことで何らかの精神的な安定や、実際にそのことを守るという意味で夫婦間の取り決めとしては有効です。ただし、法的な拘束力については限定的である点に注意が必要です。
契約書を作成する際のポイントとして、夫婦間に合理的な事情があり、かつ真摯な合意があれば、有効と認められる場合もあります。しかし、公序良俗に反する内容や、一方的に不利な条件が含まれている場合は、無効となるリスクもあります。
多くの専門家は、オープンマリッジを始める前に詳細なルールを設定し、それを書面に残すことを推奨しています。これには、「誰とでも自由に会って良いわけではない」「報告する範囲や頻度を決める」などの具体的な取り決めが含まれます。
既婚者向けマッチングアプリ
オープンマリッジや婚外恋愛を求める既婚者のために、専門のマッチングアプリが存在します。これらのアプリは、同じ立場の人同士が出会える場として注目されています。
①カドル
カドル(Cuddle)は既婚者利用率No.1を誇る人気の既婚者向けマッチングアプリです。Third Hub株式会社が運営しており、2022年にサービスを開始しました。
会員数は約50万人で、主要年齢層は20代後半から50代となっています。共感力の高いパートナー探しを重視した大人のマッチングアプリとして位置づけられており、AI+専門スタッフの二重監視体制により安全性への配慮も十分です。
カドルの特徴として、アクティブに活動している会員が多く、実際の出会いにつながりやすいという声が聞かれます。ただし、本格的に出会うためには基本プランに加えてプラチナオプション(+4,980円)の追加が必要となる場合があります。
②既婚者クラブ
既婚者クラブは会員数の多さで人気を集める既婚者専用マッチングサービスです。出会いの機会を重視する方に特におすすめで、多くの会員の中から相手を選ぶことができます。
このアプリの強みは、豊富な会員数による出会いの選択肢の多さにあります。様々なタイプの既婚者が登録しているため、自分に合った相手を見つけやすいという特徴があります。
安全性についても十分な配慮がなされており、既婚者同士だからこそ分かり合える大人の関係を築くことができるプラットフォームとして機能しています。
③Healmate
Healmate(ヒールメイト)は「癒し」をテーマとした既婚者向けマッチングサービスです。レゾンデートル株式会社が運営し、2022年にサービスを開始しました。
会員数は約40万人で、主要年齢層は30-50代中心となっています。真面目で上質な出会いを求める既婚者のためのコミュニティとして位置づけられており、JAPHICマーク取得によりプライバシー保護にも配慮しています。
Healmateの大きな特徴は充実したコミュニティ機能です。掲示板、グループチャット、会員主催イベント(オフ会)、運営主催イベントのすべてを備えており、20万以上のスレッドがある掲示板や5,000以上のグループチャットが活発に利用されています。業界では珍しいサイト内の無料通話機能も提供されており、女性利用率が高いのも特徴です。
まとめ
オープンマリッジは、夫婦がお互いの合意のもとで配偶者以外との恋愛関係を認め合う新しい結婚の形として、近年注目を集めています。ヒカルと進撃のノア夫妻の宣言により、日本でも大きな議論を呼んでいますが、この制度には明確なメリットとデメリットが存在します。
メリットとしては、自由な恋愛の享受、セックスの悩みの解消、お互いの価値観の尊重などが挙げられます。一方で、世間体への配慮、家庭とのバランス調整の困難さ、周囲の理解を得にくさなどのデメリットも無視できません。
重要なのは、オープンマリッジが単なる浮気や不倫とは根本的に異なり、必ず夫婦双方の真摯な合意が前提となる点です。また、契約書の作成により取り決めを明文化することで、より安定した関係を築くことが可能になります。
日本ではまだ少数派の選択肢ですが、多様化する価値観の中で、夫婦それぞれが納得できる関係性を見つけることが最も重要です。オープンマリッジを検討する際は、十分な話し合いと準備を行い、お互いの気持ちを尊重しながら進めることが成功の鍵となるでしょう。
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