近年のマッチングアプリの普及により、手軽に異性と出会える環境が整う一方で、真剣な出会いを求めるユーザーを狙った「業者」と呼ばれる悪質なユーザーが存在することも事実です。
業者による被害は金銭的な損失から個人情報の悪用まで多岐にわたり、時には深刻なトラブルに発展する可能性があります。本記事では、マッチングアプリにおける業者の実態と、安全に出会いを楽しむための知識をお伝えします。
マッチングアプリの業者とは
マッチングアプリにおける「業者」とは、恋愛や結婚といった本来の利用目的ではなく、金銭的利益や個人情報の収集を目的として一般ユーザーになりすましてアプリに潜入している悪質なユーザーのことです。
業者は運営会社とは全く無関係の個人や団体が勝手に行っており、アプリの利用規約に明確に違反する存在です。彼らの主な目的は以下のように分類されます。
- マルチ商法・ネットワークビジネスへの勧誘
- 宗教団体への勧誘
- 詐欺サイトへの誘導
- 風俗店への勧誘
- 個人情報の不正収集
マルチ商法・ネットワークビジネスへの勧誘が最も多く見られるパターンで、親密になった後に商品購入やセミナー参加を強要してきます。また、宗教団体への勧誘も深刻な問題で、親切を装って近づき、特定の宗教団体への入信を勧めてきます。さらに、詐欺サイトへの誘導を目的とした業者は、不正なサイトへ誘導して高額な登録料や利用料を請求したり、投資詐欺や情報商材の販売を行います。
このほか、風俗店への勧誘や個人情報の不正収集など、様々な手口が確認されています。重要なのは、業者は決して真剣な出会いを求めているわけではなく、あくまで自身の利益のために行動している点です。
マッチングアプリで業者に会うとどうなる?業者遭遇体験談
実際にマッチングアプリで業者と遭遇した利用者の体験談から、業者の手口や被害の実態を見ていきましょう。これから3つの実際の体験談を紹介します。
体験談①:マルチ商法への勧誘
ある男性がTinderで知り合った24歳の女性とボウリングデートをした際の体験談です。女性は友達3人を連れてきて、男女2:2でのグループデートとなりました。ボウリング自体は楽しく過ごせましたが、その後の展開で事態は一変します。
会話の中で「将来のこと」「投資のこと」について執拗に質問され、最終的にはマルチ特有のセミナーへの勧誘が始まりました。この男性は事前に業者の可能性を疑っていたため冷静に対処できましたが、多くの人が自然な流れの中で勧誘に巻き込まれてしまうリスクがあることが分かります。
体験談②:宗教勧誘のケース
マッチングアプリで出会った男性が実は宗教団体の3世信者だったという女性の体験談です。最初は誠実で真面目な印象を与える男性で、メッセージや初回デートでは宗教的な要素は一切感じられませんでした。
しかし、関係が深まった頃に大学名を尋ねると、特定の宗教系大学の名前が出てきました。その後、彼が3世信者であることが判明し、将来的にお付き合いや結婚となった場合、入信を求められる可能性が高いことが明らかになりました。この女性は精神的な病気を患っていたため、「信じれば病気もよくなる」といった宗教的な勧誘を受ける危険性も感じたと述べています。
体験談③:ぼったくり店への誘導
業者の典型的な手口の一つとして、ぼったくり店への誘導があります。相手が指定した店に行くと法外な料金を請求される被害が報告されています。実際に会った際に「知り合いのやっているお店が近くにあるから」と案内され、お会計時に高額な飲食代を請求されたというケースが確認されています。
これらの体験談から分かるように、業者は最初は普通の利用者を装い、関係が深まってから本来の目的を明かすという共通のパターンがあります。そのため、事前の見分けが困難な場合もあり、常に警戒心を持って利用することが重要です。
マッチングアプリの業者の特徴・見分け方
業者を見分けるためには、プロフィールとメッセージの両方で注意深く観察することが重要です。これから6つの主要な見分け方を詳しく説明します。
①プロフィール写真が不自然に美しい
業者は多くの男性の注意を引くために、モデル級の美女の写真を使用することが多くあります。写真が1枚しかアップされていない、ポージングやヘアスタイルが完璧すぎる場合は注意が必要です。
これらの写真は他人のSNSやブログから無断転載されたものの可能性が高く、Googleの画像検索を使って確認することで判別できます。特に海外の色気のある美人の写真が使われているケースが多く報告されています。
②プロフィール内容が手抜きまたは怪しい記載
業者は手っ取り早く会って勧誘したいため、プロフィールを作り込まない傾向があります。自己紹介欄が空白だったり、「よろしくお願いします」程度の当たり障りのない挨拶文しか書いていない場合は警戒が必要です。
また、職業が「自由業」と記載されているものの具体的な仕事内容の説明がない場合や、「投資のお話ができる人が良い」といった金銭に関する記載がある女性は、ビジネス絡みの勧誘である可能性が高いです。
③メッセージが不自然
業者のメッセージには特徴的なパターンがあります。会話が噛み合わない、AIのような文章や不自然な日本語を使っている、会話の流れを無視した質問を送ってくるなどの特徴が見られます。
また、返信が来るまで何回も同じような内容のメッセージを送ってくる場合も業者の可能性が高いです。明らかにコピペの文章が繰り返し送られてきたら疑いましょう。
④すぐに会いたがる・LINE交換を迫る
健全なユーザーは安全を考慮して、マッチング後すぐに個人情報を教えることはありません。しかし業者は、アプリ内での監視を避けるため、できるだけ早くLINEなどの外部ツールでの連絡を求めてきます。
「もうすぐ退会するからLINEを教えて」「アプリが使いづらいからLINEでやり取りしよう」などと言われた場合は注意が必要です。マッチングしてすぐにLINE交換を求めてくる場合は、業者の可能性が高いと考えましょう。
⑤第三者との面会を提案する
業者は勧誘をより効果的に行うために、複数人での面会を提案してくることがあります。「友達も一緒に会いましょう」「紹介したい人がいる」といった提案は、囲い込みによる勧誘を行う狙いがある可能性が高いです。
恋愛目的の出会いであれば、相手以外の人と会う必要性は全くないため、このような提案を受けた時点で警戒すべきです。
⑥特定の場所を指定して会いたがる
業者は自分たちの団体や店舗から近い場所で会いたがる傾向があります。相手が嫌がっても不自然に場所にこだわる場合は、業者ではないかと疑いましょう。
また、ボランティアや講演会への誘いも宗教勧誘の典型的な手口です。一見問題なさそうに見えますが、これらは宗教団体が隠れ蓑として使う常套手段であるため注意が必要です。
安全に出会えるおすすめマッチングアプリ
業者の被害を避けるためには、セキュリティ対策が充実した信頼できるマッチングアプリを選ぶことが重要です。これから3つの安全性の高いおすすめアプリを紹介します。
①Pairs(ペアーズ)
Pairsは国内最大級の2,000万人を超える会員数を誇る、最も安全性が高いマッチングアプリの一つです。24時間365日の監視体制と本人確認に加え、顔認証機能も導入しており、不正ユーザーやなりすましユーザー、悪徳業者が非常に少ないことで知られています。
資本金1億円を超える大手国内企業「エウレカ」が運営しており、運営の信頼性も高く評価されています。身分証明書による本人確認は必須で、違反ユーザーには強制退会の措置が取られるため、安全に利用できる環境が整っています。利用者からも「業者や体目的などの嫌な人が唯一いなかったアプリ」として高く評価されています。
②with(ウィズ)
withは心理学に基づいた性格診断が特徴的なマッチングアプリで、相性の良い相手と出会えることで人気を集めています。20代が65%を占める若いユーザー層で、真剣な恋愛を求める人が多く集まっています。
セキュリティ面では、24時間365日の監視体制を敷いており、運営チームがアプリ内の活動を常時監視しています。怪しい行動や違反報告があれば迅速に対応し、詐欺や業者への対策も徹底されています。本人確認も必須となっており、安全性の高いアプリとして評価されています。
③Omiai(オミアイ)
Omiaiは結婚を意識した真剣な出会いを求めるユーザーが多く、20代後半から30代のユーザーが中心となっています。本人確認では顔写真付きの公的証明書が必須となっており、不審なユーザーが紛れ込むのを防いでいます。
特徴的なのは「イエローカード制度」で、規約違反したユーザーのプロフィールにはイエローカードが表示されるため、警戒すべき相手が一目で分かります。違反が続けば強制退会の措置が取られ、悪質ユーザーへの対処も迅速に行われています。また、TRUSTe認証やIMS認証を取得しており、個人情報の管理も適切に行われています。
これらのアプリは全て月額制を採用しており、ポイント課金制のアプリと比較してサクラが存在しないことも安全性の高さを示しています。インターネット異性紹介事業の届出も適切に行われており、法的な観点からも信頼できるサービスとなっています。
まとめ
マッチングアプリにおける業者の存在は、真剣な出会いを求める利用者にとって深刻な問題です。業者に遭遇すると、マルチ商法への勧誘、宗教勧誘、ぼったくり店への誘導など、様々な被害に巻き込まれる可能性があります。金銭的な損失だけでなく、個人情報の悪用や精神的な被害まで幅広いリスクが存在します。
業者を見分けるためには、プロフィール写真が不自然に美しい、自己紹介が手抜き、すぐにLINE交換を迫る、第三者との面会を提案するなどの特徴に注意を払うことが重要です。また、メッセージが不自然だったり、特定の場所を指定して会いたがる場合も警戒が必要です。
安全にマッチングアプリを利用するためには、Pairs、with、Omiaiなどの24時間365日の監視体制と本人確認が徹底された信頼できるアプリを選ぶことが大切です。これらのアプリは月額制を採用しており、運営会社も上場企業や大手企業が手がけているため、安全性が高く評価されています。
万が一業者と遭遇した場合は、運営への通報とブロック、証拠となるメッセージのスクリーンショット保存、必要に応じて警察や消費者生活センターへの相談を行うことが重要です。適切な知識と対策を持って利用すれば、マッチングアプリは素晴らしい出会いの場となるでしょう。
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